建築士事務所にリノベーションの設計を依頼する方法とは?
①建築士や設計事務所にリノベーションのご依頼をしたいとご検討中の方。
②建築家や設計士にリフォームのご相談をしてみたいとお考えの方。
③デザイン性が高く、お洒落なお家にリノベーションする方法でお悩みの方。
今日は「建築士事務所のリノベーションの特徴」をご紹介するね!
こんにちは、リノゾウです。
設計士や建築士の方に、マンションのリノベーションを依頼したいけど、方法が分からない。
建築家の方に、カーサ ブルータスなどに載っている、オシャレな住宅をデザインして欲しい。
ホームページで、施工事例を探しているけれど、理想のインテリアがみつからない。
などなど、設計事務所にリフォームやリノベーションをお願いしようかどうか、お悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、「建築士事務所のリノベーションの特徴」をご紹介したいと思います!
本記事は、5部構成で話を進めています。
本記事の構成
➊建築士事務所のリノベーションの特徴
➋建築士事務所にリノベーションを依頼するメリット
➌建築士事務所にリノベーションを依頼するデメリット
➍建築士事務所とのリノベーションが向いてそうな方
➎建築士事務所とのリノベーションが不向きそうな方
それでは早速、本編に移っていきます。
➊建築士事務所のリノベーションの特徴
はじめに、建築士事務所について、端的にご説明します。
建築士事務所とは、都道府県知事に登録された、報酬を得て「設計等」の業務を行える事務所のことです。
建築士事務所の業務内容は、主に下記6つです。
【主な業務内容】
- 設計
- 工事監理
- 建築工事契約に関する事務
- 建築工事の指導監督
- 建築物に関する調査、鑑定
- 建築物の建築に関する法令、条例の規定に基づく手続の代理
また、建築士事務所は、所属する建築士に応じて、次の3種類があります。
【建築士事務所の種類】
- ・一級建築士事務所
- ・二級建築士事務所
- ・木造建築士事務所
リノベーションをお願いする際は、設計事務所の「都道府県知事登録の有無」及び「事務所の種類」を確認すると良いかと思います。
では、建築士事務所のリノベーションの特徴とは、どういった部分なのでしょうか?
- 特徴①:別会社で「設計」と「施工」が行われます。
- 特徴②:設計士や建築士が「設計図書」を作成します。
- 特徴③:設計士や建築士が「工事監理」を行います。
順番にご説明します。
特徴①:別会社で「設計」と「施工」が行われます。
1つ目の特徴が、建築士事務所は、一般的にリフォームやリノベーションの工事を行わない、ということです。
理由は、「設計」と「施工」の役割を分けることで、利益相反を防ぐためです。
例えば、リフォーム会社の中に、設計担当者がいるケースを考えてみます。
この場合、設計担当者は、リフォーム会社に雇用されています。
そのため、自社利益のために、依頼主にとって不利益な情報は伝えない、ということが起こりうる可能性があります。
このように、「設計」と「施工」を一体的に行う会社の社内建築士は、依頼主にとって、必ずしも中立な立場ではありません。
建築士事務所にリノベーションを依頼することで、依頼主は、中立な立場の設計士や建築士に、設計のご相談をすることが可能です。
特徴②:設計士や建築士が「設計図書」を作成します。
2つ目の特徴は、工事前に建築士が「設計図書」を作成する、ということです。
「設計図書」とは、建築物の工事を実施するために必要な「図面」や「仕様書」のことです。
「設計図書」には、リノベーション工事における、依頼主の要望が細かく盛り込まれています。
「設計図書」をもとに、施工会社は工事金額の積算を行います。
そのため、建築士事務所にリノベーションを依頼することで、依頼主は、工事の内容や金額をより精細に把握することが可能です。
特徴③:設計士や建築士が「工事監理」を行います。
3つ目の特徴は、建築士が「工事監理」を行う、ということです。
「工事監理」とは、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかを確認することです。
建築士が、設計図書を作成したとしても、実際の工事は、設計図書のとおりに実施されるとは限りません。
そのため、設計事務所は、「工事監理」を行う責を担っています。
このように、建築士事務所にリノベーションを依頼することで、依頼主は、工事の品質を確保しやすくなります。
以上、建築士事務所のリフォームの特徴を3つご紹介しました。
➋建築士事務所にリノベーションを依頼するメリット
続いて、設計事務所のリフォームのメリットを下記に3つ示します。
- ①デザインの自由度が高いです。
- ②仕様を統一して相見積もりを依頼できます。
- ③工事の品質を確保しやすいです。
順番にご説明します。
①デザインの自由度が高いです。
1つ目のメリットは、デザインの自由度が高いことです。
前述のとおり、建築士事務所は、基本的には「設計」と「施工」が分離しており、「設計」のみを業務として行っています。
建材や設備などの仕入れもないため、特定のメーカーに依存しにくいです。
そのため、依頼主の好みに合わせて建材や材料を選択しやすいです。
法規や規約、構造や設備、コストや時間などの必要条件をクリアさえしていれば、選択肢は無限、といっても過言ではないかと思います。
また、建築士事務所は、「設計」を生業としているため、間取りやパースなどの提案力も期待できます。
②仕様を統一して相見積もりを依頼できます。
2つ目のメリットは、仕様を統一して工事金額の相見積もりを依頼できることです。
建築士事務所では、工事前に、依頼主の要望や希望を盛り込んだ「設計図書」を作成します。
「設計図書」には、リノベーション工事にあたり、天井や壁、床の材料、ユニットバスやシステムキッチンの仕様など、あらゆる情報が盛り込まれています。
「設計図書」があることで、依頼主は、同一条件で施工会社の工事金額を比較できるため、適正価格の会社に工事を依頼しやすくなります。
③工事の品質を確保しやすいです。
3つ目のメリットは、工事の品質や安全性を確保しやすいことです。
建築士事務所は、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているか確認する責を負っています。
設計事務所が、公平な立場で工事監理を実施するため、手抜き工事や施工ミスを防ぎやすいです。
結果として、依頼主は、工事の品質や安全性を確保しやすくなります。
以上、建築士事務所にリノベーションを依頼するメリットを3つご紹介しました。
➌建築士事務所にリノベーションを依頼するデメリット
次に、設計事務所のリフォームのデメリットを下記に3つ示します。
- ①自由度が高いため、選択肢が多くて大変です。
- ②ゼロからつくるため、長期化することがあります。
- ③建築士事務所を探すことが大変です。
順番にご説明します。
①自由度が高いため、選択肢が多くて大変です。
1つ目のデメリットは、決定事項が多いことです。
メリットでもご説明したとおり、設計事務所の建材や設備の選択肢は、非常に広いです。
例えば、キッチンにしても、選択肢はシステムキッチンに限りません。
メーカーや家具屋さんのオーダーメイド品など、幅広い選択が可能です。
また、水栓やレンジフード、食洗機や調理機器のメーカー、ワークトップの素材など、多くのことを選択できます。
そのため、選定が大変ということが、デメリットとして考えられます。
②ゼロからつくるため、長期化することがあります。
2つ目のデメリットは、時間についてです。
基本的に、建築士事務所のリノベーションには、デザインのパッケージがありません。
依頼主のご要望に合わせて、ゼロから設計を行うことが多いかと思います。
そのため、設計が長期化してしまうことが、デメリットとして考えられます。
③建築士事務所を探すことが大変です。
3つ目のデメリットは、設計事務所探しが難しい、ということです。
建築士事務所は、大手のリフォーム会社などに比べると、多くの事務所が広告を行っていません。
そのため、建築士事務所を探すことは大変です。
設計事務所の主な集客方法は、下記5つが考えられます。
【主な集客方法】
- 知人や関係者の紹介
- コンペやプロポーザルの応募
- 建築士事務所の紹介サービスへ登録
- ホームページ
- SNSやYouTube
近年では、SNSやYouTube、ホームページなどの発信に力を入れている設計事務所も増えているかもしれません。
ただ、「発信力=設計技術が高い」とも限りません。
力量がある事務所ほど、広告の必要がないため、発信に力を入れていないことも考えられます。
親戚や友人、関係者などの紹介は、安心感も高いため、この方法で仕事を得ている建築士事務所も多いようです。
このように、集客方法によっては、広告やSNSを重視しない事務所もあるため、良い建築士事務所を探すには、時間や労力がかかる可能性があります。
以上、建築士事務所にリノベーションを依頼するデメリットを3つご紹介しました。
➍建築士事務所とのリノベーションが向いてそうな方
続いて、設計事務所とのリフォームが向いてそうな方について、下記3つ述べたいと思います。
- ①画一的なデザインを好まない方。
- ②創造的な仕事に理解がある方。
- ③設計や施工期間に余裕がある方。
順番にご説明します。
①画一的なデザインを好まない方。
建築士事務所では、主に「設計」のみを行っているため、特定のメーカーなどに固執しにくいです。
建具や家具など、既製品にとらわれず、オーダーメイドの設計を依頼することも可能です。
マンションの管理規約や法令、構造や設備、機能的な寸法などを満たしていれば、建材や設備、照明器具などの選択肢は非常に広いです。
そのため、個性的なデザインやインテリアにしたい、とお考えの方は、建築士事務所とのリノベーションに向いている傾向にあると思います。
②創造的な仕事に理解がある方。
建築士事務所の仕事は、創造的な側面をもちあわせています。
そのため、設計事務所の中には、試行錯誤を繰り返して、一つの案を丁寧に提案している事務所も多いようです。
こうした提案には、建築家や設計士がこれまで経験したことや、費やした時間が含まれている可能性があります。
仮に言及されなかったとしても、建築士事務所が作成した「間取り」を他社に持ち込んだり、「提案」を無下にしたりすることは控えた方が良いです。
このように、クリエイティブな仕事に最低限の配慮ができる方は、建築士事務所とのリノベーションに向いているかと思います。
③設計や施工期間に余裕がある方。
建築士事務所の場合、リノベーションのデザインをパッケージ化していないことが多いです。
依頼主の要望に合わせて、図面や仕様書を作成するため、設計に時間を要してしまうこともあるようです。
また、施工期間において、設計事務所が工事監理を行います。
工事監理を実施することで、施工会社の手抜き工事や施工ミスを予防できる一方で、工事に時間がかかってしまうことも考えられます。
そのため、時間に余裕がある方は、建築士事務所とのリノベーションに向いている可能性が高いです。
➎建築士事務所とのリノベーションが不向きそうな方
次に、設計事務所とのリフォームが不向きそうな方について、下記3つ述べたいと思います。
- ①選択肢が多いと迷ってしまう方。
- ②ワンストップで手軽にリノベーションしたい方。
- ③間取りや素材のイメージが固まっている方。
順番にご説明します。
①選択肢が多いと迷ってしまう方。
建築士事務所のリノベーションでは、素材や設備の選択肢が多岐にわたります。
そのため、依頼主が決めなければいけないことも多いです。
優柔不断であったり、決断力に自信がない方だったりは、建築士事務所とのリフォームは向かないおそれがあります。
②ワンストップで手軽にリノベーションしたい方。
大手のリフォーム会社などでは、ワンストップで全ての手続きを完結できる場合があります。
例えば、物件探しや購入、資金計画や融資、設計や施工などの手続きです。
建築士事務所の場合、主に「設計」のみを行っているため、窓口が複数化してしまう可能性があります。
ワンストップで全ての手続きを完結させたい方は、建築士事務所とのリフォームは向かないおそれがあります。
③間取りや素材のイメージが固まっている方。
建築士事務所の仕事は、クリエイティブな側面をもっています。
そのため、ご自身の考えがハッキリしている方は、設計事務所とは合わない可能性があります。
例えば、雑誌に掲載されている間取りやインテリアとそっくりに設計してほしい方や、ご自身が考えた間取りのとおりに計画したい方などです。
建築士事務所では、個性や独自性を重視されるケースも多いです。
そのため、間取りやインテリアのイメージがハッキリ固まっている方は、建築士事務所とのリフォームは向かない傾向にあるかもしれません。
➏まとめ
ここまで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。
最後に、この記事の内容を簡単にまとめたいと思います。
この記事のまとめ 建築士事務所とは、都道府県知事に登録された、報酬を得て「設計等」の業務を行える事務所のことです。
建築士事務所のリノベーションの特徴は、下記の3つです。
- 特徴①:別会社で「設計」と「施工」が行われます。
- 特徴②:設計士や建築士が「設計図書」を作成します。
- 特徴③:設計士や建築士が「工事監理」を行います。
建築士事務所にリノベーションを依頼するメリットは、下記の3つです。
- ①デザインの自由度が高いです。
- ②仕様を統一して相見積もりを依頼できます。
- ③工事の品質を確保しやすいです。
建築士事務所にリノベーションを依頼するデメリットは、下記の3つです。
- ①自由度が高いため、選択肢が多くて大変です。
- ②ゼロからつくるため、長期化することがあります。
- ③建築士事務所を探すことが大変です。
建築士事務所とのリノベーションが向いてそうな方の特徴は、下記の3つです。
- ①画一的なデザインを好まない方。
- ②創造的な仕事に理解がある方。
- ③設計や施工期間に余裕がある方。
建築士事務所とのリノベーションが不向きそうな方の特徴は、下記の3つです。
- ①選択肢が多いと迷ってしまう方。
- ②ワンストップで手軽にリノベーションしたい方。
- ③間取りや素材のイメージが固まっている方。
最後まで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。