賃貸の仲介手数料を値切る客は迷惑?交渉のコツや注意点、トラブル回避法を徹底解説!
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①賃貸物件の仲介手数料を値切るお客さんが、迷惑かどうかを知りたい方。
②貸物件の仲介手数料を値切り交渉せずに、最大無料にする方法を知りたい方。
③賃貸物件の初期費用や仲介手数料をできるだけ節約してお引っ越ししたい方。


今日は「仲介手数料を値切るコツ」を紹介するね!
こんにちは、リノゾウです。
仲介手数料を値切りたいけれど、不動産会社に迷惑がられたり、嫌がられたりしないかを心配されている方も多いのではないでしょうか?
結論から述べると、仲介手数料を値切り交渉するお客さんは不動産会社から迷惑がられてしまうでしょう。ただし、値切り方によって不動産会社の心証が変わることも事実です。
そこで本記事では、仲介手数料や初期費用を値引き交渉したい方に向けて、賃貸物件の「仲介手数料を値切るコツ」を解説していきます。
なお、交渉不要で仲介手数料を最大無料にする方法を知りたい方は、次の裏ワザをご覧ください。
仲介手数料を最大無料にする裏技
それでは早速、本編に移っていきます。
仲介手数料の基礎知識

はじめに、賃貸物件の仲介手数料について簡単にご説明します。
端的にいうと、仲介手数料とは、賃貸借契約が成立した際に不動産会社へ支払われる業務報酬のことです。
上図のように、不動産会社は、貸主と借主の間に入り、物件紹介や内見対応、契約手続きやご入居までのサポートを行います。こうした業務の対価として、不動産会社は仲介手数料を得ています。
では、賃貸物件における、仲介手数料の相場はいくらなのでしょうか?
仲介手数料の相場はいくら?
結論から述べると、「賃料1ヶ月分+消費税」が仲介手数料の相場です。なお、仲介手数料の報酬額は、宅地建物取引業法第46条で、次のように規定されています。
(報酬)第四十六条
1 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
2 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
このように、宅建業法では、依頼者の双方から受領できる仲介手数料の上限額が定められています。さらに、居住用の建物の場合、国土交通省告示第493号において、仲介手数料の上限額は、下表のように規定されています。
| 物件種別 | 大家(貸主)からの報酬額 | 入居者(借主)からの報酬額 |
|---|---|---|
| 居住用の建物 (住まい) | 賃料0.5ヶ月分以内+消費税 | 賃料0.5ヶ月分以内+消費税 |
| 依頼者の承諾がある場合は、いずれか一方から賃料1ヶ月分以内+消費税を受けることができる。 ただし、この場合も貸主と借主から受ける報酬の合計額は、賃料の1ヶ月分以内+消費税でなければならない。 | ||
引用元:国土交通省告示第493号
表だけでは伝わりにくい部分もありますので、仲介手数料がどのように発生するのかを、図も交えながら解説していきます。
仲介手数料が発生する仕組みは?

上図のように、居住用の建物で、依頼者の承諾がない場合は「賃料0.5ヶ月分+消費税」が仲介手数料の上限額です。
この上限額は、依頼者の一方から受け取れる報酬額です。双方から受領した場合でも、賃料1ヶ月分+消費税を超えることは違法ですので、注意が必要です。
例えば、賃料10万円のお部屋を借りる場合、借主が不動産会社へ支払う仲介手数料の上限額は「5万円+消費税」になります。


一方、居住用の建物で、依頼者の承諾がある場合は「賃料1ヶ月分+消費税」が仲介手数料の上限額です。
この上限額は、依頼者の一方から受け取れる報酬額です。
賃料10万円のお部屋を借りる場合、借主が不動産会社へ支払う仲介手数料の上限額は「10万円+消費税」になります。

ただ、居住用の建物で、特に承諾がないまま仲介手数料を1.1ヶ月分請求された、という方も多いのではないでしょうか?
仲介手数料1.1ヶ月分の請求は違法?
居住用の建物において、仲介手数料を賃料の1.1ヶ月分請求することは、依頼者の承諾があれば違法ではありません。
ただし、承諾がある場合でも、仲介手数料の上限値(賃料1ヶ月分+消費税)を超えた請求は違法ですので注意が必要です。一方で、仲介手数料の下限値は規定されてないため、仲介手数料を値切り交渉することは違法ではありません。
では、仲介手数料を値切るお客さんは、なぜ不動産会社から迷惑がられてしまうのでしょうか?
仲介手数料の値切り交渉が迷惑な理由
仲介手数料を値切るお客さんが、不動産会社から迷惑がられてしまう背景にはさまざまな理由があります。
「物件問い合わせ時」や「内見前」など、不動産会社の負担がまだ軽いタイミングでの交渉であればまだしも、「内見後」や「入居申込後」、「オーナー審査通過後」の仲介手数料の値引き交渉は、特に迷惑がられてしまう可能性が高いです。
交渉のタイミングによって迷惑度合いは多少異なりますが、不動産会社にとって「仲介手数料を値切るお客さんが迷惑」であることは間違いないでしょう。
ここからは、仲介手数料を値切るお客さんが、不動産会社から迷惑がられてしまう代表的な理由を5つご説明します。
売上や歩合が減ってしまうから。
仲介手数料を値切られることで、不動産会社の売上が減ってしまいます。
また、営業マンは成約実績に応じて歩合を得ているため、仲介手数料の値引きは営業マンの給料の減少に直結してしまいます。
結果として、営業マンのモチベーションが下がってしまい、仲介業務を断られたり、顧客対応の優先順位に影響したり、サービスの質が低下することも考えられるでしょう。
なお、営業マンのリアルな対応として「仲介手数料を値切る人は全部お断りしている」という声も存在しています。

引用元:X
値切り交渉は無駄な時間や労力だから。
仲介手数料を値切るお客さんとの交渉は、時間の無駄、労力に見合わないと考える営業マンも多いでしょう。
営業マンは、不動産の仲介にあたり、物件紹介や内見対応、契約書類の準備や管理会社との連絡など、多くの時間を費やしています。
こうした労力に見合わないため、仲介手数料を値切り交渉した場合、仲介をキッパリ断られてしまうこともあるようです。
また、仲介手数料を値切ることは、営業マンのプロ意識を傷つけてしまうことにもつながりかねません。
不動産会社は、仕事の対価として業務報酬を受け取っているため、お客さん側に他意はなかったとしても、仲介手数料を値切り交渉された場合、営業マンの仕事ぶりを否定したと思われたり、不手際があったのではないかと不安にさせたり、値切り方によっては悪い印象を与えてしまうこともあるでしょう。
値切り交渉が過剰だから。
仲介手数料の値切り交渉が過剰なお客さんは、不動産会社から迷惑がられてしまうでしょう。例えば、仲介手数料を半額やタダにしてください、などと過剰に交渉した場合、仲介を断られてしまうかもしれません。
また、仲介手数料だけでなく、初期費用に含まれる費用を過剰に値切るお客さんも一定数いるようです。

こちらの例は、不動産会社が仲介手数料以外にも次の複数項目を値切られた、という内容です。
・鍵交換代
・除菌消臭や消火剤
・火災保険料
・家賃保証料
・家賃の値下げ(1ヶ月分無料)
この事例のように、過度な値下げ要求は不動産会社に仲介を断られてしまう確率が高いです。

値切り交渉が無神経で態度が横柄だから。
仲介手数料を値切るお客さんの中には、無神経で態度が横柄な方が一定数いるようです。
宅地建物取引業法において、仲介手数料の上限額は規定されていますが、下限額は規定されていないため、仲介手数料の値下げ交渉をすることは法令違反ではありません。
ただし、法令に違反しないからといって、無神経な発言をしたり、横柄な態度とったりすることは、不動産会社に迷惑がられてしまうでしょう。
なお、仲介手数料の値下げに応じることは、不動産会社の義務ではありません。そのため、値下げを無理強いしたり、強制したりすることはせず、丁寧にお願いする気持ちが大切です。
トラブルのリスクがあるから。
仲介手数料を値切るお客さんは、管理会社や貸主から、入居後にトラブルになりやすいと判断されてしまい、入居を断られてしまうことがあるようです。
具体例として、X(旧ツイッター)で見つけたアンケート調査をご紹介します。
質 問:あなたは保有アパートを「借主から仲介手数料1ヶ月分」と明記して賃貸を募集しています。あなたはどちらに部屋を貸しますか?
選択肢①:「法律では仲介手数料0.5ヶ月分が原則なので下げて欲しい。」と手数料を値切る人
選択肢②:内覧して即日申し込んでくる人
引用元:X
こちらのアンケート調査の結果、仲介手数料を値切るお客さんには部屋を貸したくない、という方が9割以上を占めていました。
このように、仲介手数料を値切るお客さんは、不動産会社からだけでなく、管理会社や貸主からも迷惑がられてしまうおそれがあります。
仲介手数料の値切り交渉のコツ
ここまでは、仲介手数料の相場や基礎知識、仲介手数料を値切るお客さんは、不動産会社や管理会社、貸主からも迷惑がられてしまうリスクがあることをご説明しました。
では、なるべく迷惑をかけずに仲介手数料を値切り交渉するコツはないのでしょうか?
ここからは、リスクをとってでも仲介手数料を安くしたい方に向けて、仲介手数料を値切り交渉するコツを3つご紹介します。
不動産会社を先に決めて信頼関係をつくる。
1つ目のコツは、不動産会社を物件よりも先に決めて信頼関係をつくる方法です。
一般的な賃貸物件の取り引きの流れは、スーモやホームズなどのポータルサイトで物件を検索し、取り扱いがある不動産会社へ問い合わせをします。
そして、その不動産会社へ来店し、気に入った物件も含めいくつか内見した後、最終的に物件を決める、という流れかと思います。
つまり、「物件検索→物件決定→不動産会社決定」という流れです。
ここでご紹介する方法は、仲介手数料が安い不動産会社をあらかじめ決めてしまう方法です。
つまり、「物件検索→不動産会社決定→物件決定」という流れです。
良心的な不動産会社を最初から決めておくことで、物件は気に入ったけど不動産会社の対応が不満、初期費用が思っていたより高額だったなど、あとあと嫌な思いをされるリスクを軽減できます。
関東圏で物件をお探しの方は、「最大0円」を活用してみるとよいでしょう。
このサービスを利用すれば、交渉せずに仲介手数料を最大無料にすることが可能です。交渉が不要なため、時間を無駄にすることも、不動産会社を嫌な気持ちにさせることもありません。
交渉しやすいタイミングをねらう。

引用元:ライフルホームズ
2つ目のコツは、賃貸市場の閑散期に値切り交渉をする方法です。
賃貸市場には、上図のように繁忙期と閑散期があります。
結論から述べると、仲介手数料を値切り交渉しやすい時期は、4月中旬から8月中旬の期間です。理由は、この時期は賃貸市場の閑散期であり、競合が少ないからです。物件を探しているライバルも少ないため、時間に余裕をもってお部屋を探すことが可能です。
下記に各時期の特徴を簡単にご説明します。
1月から4月上旬
賃貸市場の繁忙期です。入学や卒業、就職などに伴い、移動する方が多く、賃貸市場の繁忙期といえます。入居が決まりやすい時期のため、貸主も強気なことが多いです。不動産会社もスピーディーに物件を決めたいため、家賃交渉が難しい時期です。仲介手数料の値下げ交渉をしたい方は、この時期は避けた方が良いかもしれません。
4月中旬から8月中旬
賃貸市場の閑散期です。繁忙期に空室が埋まらなかった貸主が、家賃を値下げしたり、礼金をなくしたり、フリーレントをつけたり、借り手を探すために試行錯誤する時期です。閑散期は、不動産会社の業務も落ち着いてくるため、交渉などをお願いしやすい時期です。仲介手数料の値下げ交渉をしたい方にとっては、最適なシーズンです。
8月下旬から12月末
賃貸市場の中間期です。お盆が明け、秋冬に向けて少しずつ物件が増えていきます。繁忙期に近づくほど、賃貸物件数は増え、仲介手数料の交渉難易度も高まります。優良物件をみつけたい方は、早め早めに行動すると良いかもしれません。
AD(広告料)付き物件をねらう。
3つ目のコツは、AD(広告料)がある物件を不動産会社から提案してもらう方法です。
競争率が激しいエリアなどでは、成約時に貸主から不動産会社へAD(広告料)が支払われる物件があります。
貸主がAD(広告料)を支払う主な目的は、インセンティブをつけることで早期成約をねらったり、集客力の向上や交渉力を強化したりすることが考えられます。
つまり、AD(広告料)をつけないと成約しない物件、というようなネガティブな理由ではありません。
AD(広告料)がある物件であれば、成約時に一定の売上を確保できるため、仲介手数料の多少の値下げであれば応じてもらいやすくなるでしょう。
仲介手数料を値切るときの注意点やNG行動
仲介手数料を値切り交渉するコツを心得ていたとしても、無理強いをしたり、横柄な態度をとったりすることは得策ではありません。仲介手数料を値下げすることは、不動産会社の義務ではないため、謙虚な姿勢でお願いするとよいでしょう。
また、仮に営業マンの対応が気に入らなかったり、何か不手際があったりした場合でも、それを理由に交渉することは得策ではありません。あくまでも、「初期費用を抑えたい」、「お金がない」など、率直な理由を述べたうえで交渉するとよいでしょう。
ここからは、交渉する際の代表的な注意点を3つご紹介しますのでぜひお役立てください。
大手仲介会社は交渉に応じにくい。
大手仲介会社は、会社方針があるため、なかなか交渉には応じてもらいにくいでしょう。
仲介手数料を交渉したい場合は、会社の規模や方針などを見極めつつ、営業マンの裁量が高そうな小規模な会社をねらうのも1つの方法です。
ただし、仲介手数料は、基本的には仲介業務において不動産会社が受け取れる唯一の報酬のため、「仲介手数料を値下げしたい」と考えている不動産会社は存在しません。
値下げをお願いしたい理由を率直にご説明したうえで、応じてもらえた場合はラッキー程度に考えておくとよいでしょう。
強引すぎる交渉は逆効果。
不動産会社に対し、無理な値下げ交渉をすることはオススメしないです。
仲介手数料の上限額は法令で規定されていますが、下限額は規定されていません。
ただし、下限額が定められていないからといって、無理な交渉をお願いしては不動産会社に気分を害されてしまいます。
最悪の場合、仲介を断られてしまうかもしれませんので、仲介手数料を値切り交渉する際は、無理な値下げ交渉は控えた方がよいでしょう。
契約トラブルを避けるためのマナーを守る。
当たり前の話ではありますが、仲介手数料の値下げに応じてもらえないからといって、横柄な態度をとることはNGです。
会社の方針などがある場合もありますので、営業マンの方を責めたり、横柄な態度をとったりすることはオススメできません。
以上、賃貸物件の仲介手数料を値切る際の注意点を3つご説明しました。
まとめ
ここまで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。
最後に、この記事の内容をまとめたいと思います。
仲介手数料とは、賃貸借契約が成立した際に不動産会社へ支払われる業務報酬です。
仲介手数料の相場は「賃料1ヶ月分+消費税」です。
宅建業法では、依頼者の双方から受領できる仲介手数料の上限額が定められています。
居住用の建物の場合、依頼者の一方から受け取れる仲介手数料の上限額は次のとおりです。
・承諾なし:賃料0.5ヶ月分+消費税
・承諾あり:賃料1.0ヶ月分+消費税
仲介手数料の上限値(賃料1ヶ月分+消費税)を超えた請求は違法ですので注意が必要です。
仲介手数料を値切るお客さんが迷惑な理由は、下記の5つです。
- 売上や歩合が減ってしまうから。
- 値切り交渉は無駄な時間や労力だから。
- 値切り交渉が過剰だから。
- 値切り交渉が無神経で態度が横柄だから。
- トラブルのリスクがあるから。
賃貸物件の仲介手数料を値切り交渉するコツは、下記の3つです。
- 不動産会社を先に決めて信頼関係をつくる。
- 交渉しやすいタイミングをねらう。
- AD(広告料)付き物件をねらう。
賃貸物件の仲介手数料を値切り交渉する際の注意点は、下記の3つです。
- 大手仲介会社は交渉に応じにくい。
- 強引すぎる交渉は逆効果。
- 契約トラブルを避けるためのマナーを守る。
最後まで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。

















