再建築不可物件の売却や業者買取の方法とは?抜け道や裏ワザを知る専門家はいるの?
①再建築不可物件を売却したいとお考えの方。
②仲介や業者買取など、複数の方法で一括査定をお願いしたいとお考えの方。
③実績が豊富な不動産屋さんで、再建築不可物件をできるだけ高く売却したいとお考えの方。
今日は、「再建築不可物件を売却する方法」を紹介するね!
こんにちは、リノゾウです。
不動産屋さんに家の売却を相談したら、「再建築不可物件のため売るのが難しいです」、と言われました。
驚きと同時に、ショックを受けました・・・。
何か抜け道や裏ワザがないか、一級建築士や宅地建物取引士の方など、複数の専門家に相談しました。
その結果「再建築不可物件でも売却できる」ことが分かりました。
当時の体験談ももとに、この記事では「再建築不可物件を売却する方法」をご紹介します。
本記事は、5部構成で話を進めています。
それでは早速、本編に移っていきます。
➊再建築不可物件とは?
はじめに、再建築不可物件について、簡単にご説明します。
再建築不可物件とは、端的に言うと、接道義務違反の建築物のことです。
つまり、「接道義務違反の建築物=再建築不可物件」となります。
次に、再建築不可物件の代表的な例をご説明します。
再建築不可物件の代表例
上図の3つが、再建築不可物件の代表例です。
再建築不可物件の代表例図(1):道路に接していない土地に建つ建築物
図(2):接道幅が2m未満の土地に建つ建築物
図(3):建築基準法上の道路に接していない土地に建つ建築物
順番に、簡単にご説明します。
図(1):道路に接していない土地に建つ建築物
上図(1)のように、他の土地に囲まれて道路に接していない敷地では、接道義務に違反しているため、建築物を建てることができません。
このような土地を「袋地」、そして「袋地」を囲っている土地を「囲繞地(いにょうち)」と呼びます。
「袋地」では、再建築をすることができないため、注意が必要です。
図(2):接道幅が2m未満の土地に建つ建築物
上図(2)のように、接道幅が2m未満の敷地では、接道義務を満たしていないため、再建築することができません。
旗竿敷地において、仮に接道幅が2m以上確保できていたとしても、路地の途中で2m未満の箇所がある場合も、同様に再建築不可となるため注意が必要です。
接道幅を判断する際には、「道路から直径2mのボールを敷地全体へ搬入できるか」をイメージすると良いかと思います。
図(3):建築基準法上の道路に接していない土地に建つ建築物
上図(3)のように、建築基準法上の道路に接していない敷地でも、接道義務に違反しているため、再建築することができません。
再建築の可否を確かめる際には、接道幅だけではなく、前面道路の種類や持分も調査することが大切です。
以上、「接道義務違反の建築物=再建築不可物件」であることをご説明するとともに、その代表例を3つご紹介しました。
では、接道義務とは、どのような規定なのでしょうか?
接道義務とは?
接道義務とは、「建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない。」とする、建築基準法上の規定のことです。
道路に2m以上接していない敷地では、災害発生時の避難や救助活動などに支障がでる恐れがあります。
そのため、建築基準法では、接道義務が規定されています。
(敷地等と道路との関係)第四十三条 建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。
また、上記条文の「道路」とは、建築基準法上の道路のことです。
つまり、「建築基準法上の道路に2m以上接していない敷地に建つ建築物=接道義務違反の建築物=再建築不可物件」となります。
では、建築基準法上の道路とは、どのような道路なのでしょうか?
建築基準法上の道路とは?
建築基準法上の道路とは、同法第42条に規定されている道路のことです。
「建築基準法第42条の道路に2m以上接していない敷地に建つ建築物=再建築不可物件」となりますので、前面道路の種類には注意が必要です。
下表に、いくつか道路の種類を示します。
種別 | 内容 |
---|---|
第42条1項1号道路 | 一般国道や県道、市道などのいわゆる公道で、幅員4m以上の道路です。 |
第42条1項2号道路 | 都市計画法や土地区画整理法などによる幅員4m以上の道路です。 |
第42条1項3号道路 | 基準時(昭和25年11月23日)に現に存在する幅員4m以上の道です。 |
第42条1項4号道路 | 2年以内に事業執行予定のものとして、特定行政庁が指定した幅員4m以上の道路です。 |
第42条1項5号道路 | 土地所有者などが築造する道で、特定行政庁からその位置の指定を受けた幅員4m以上の道路です。 |
第42条2項道路 | 基準時(昭和25年11月23日)に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものです。 |
第43条2項の道 | 建築基準法に該当しない道です。 |
第43条2項の道は、以前は「但し書き道路」と呼ばれていました。
この道は、建築基準法上の道路ではないため、基本的には建築物を建てることはできません。
ただし、第43条2項1号の認定申請や、第43条2項2号の許可申請などを行うことで、再建築できる可能性があります。
参考までに、「松戸市の記載要領」のリンクを下に示します。
建築基準法第43条第2項第1号認定申請の記載要領(PDF:546KB)
建築基準法第43条第2項第2号許可申請の記載要領(PDF:1,602KB)
認定申請や許可申請の詳細につきましては、地方自治体の担当窓口にご相談願います。
以上、建築基準法上の道路についてご説明しました。
➋再建築不可物件のメリット
次に、再建築不可物件のメリットを3つご説明します。
メリット①建築確認申請が不要な範囲でリフォームを施し、住むことができます。
②周辺の相場よりも安く購入できる可能性が高いです。
③投資物件として高利回りを実現できる可能性があります。
順番に、簡潔にご説明します。
①建築確認申請が不要な範囲でリフォームを施し、住むことができます。
引用元:創和住宅
1つ目のメリットは、リフォームを施せる場合があることです。
再建築不可物件は、新築や建て替えはできませんが、建築確認申請が不要な範囲でリフォームを施すことは可能です。
木造建築の場合、下記の条件を全て満たしていれば、リフォームにともなう建築確認申請は不要です。
確認申請の要否判定基準 階数が2階建て以下
延べ面積が500㎡以下
高さが13m以下
軒高が9m以下
リフォームにともなう建築確認申請の可否を厳密に知りたい方は、地方自治体の担当窓口にご相談願います。
その他、次の書籍には、再建築不可物件のリフォーム事例が複数掲載されていますので、もしよければご覧ください。
また、創和住宅さんのホームページにも、複数のリフォーム事例が掲載されています。
再建築不可物件のリフォームにお悩みの方は、書籍や事例をご参考にしてみてはいかがでしょうか?
②周辺の相場よりも安く購入できる可能性が高いです。
2つ目のメリットは、相場よりも安く購入できる場合があることです。
再建築不可物件は、建て替えができないため、土地の資産価値は低く見積もられてしまいます。
そのため、周辺の相場よりも安く購入できる可能性が高いです。
再建築不可物件でも良いので、安く物件を購入したい方にとっては、嬉しいメリットの1つです。
③投資物件として高利回りを実現できる可能性があります。
3つ目のメリットは、投資物件として活用できる場合があることです。
再建築不可物件は、建て替えはできなものの、賃貸物件として貸すことは可能です。
加えて、安く購入できる可能性も高いため、立地などによっては高利回りを期待できます。
不動産投資をご検討中の方にとっては、メリットが大きいです。
次のコラムにて、中古一戸建て住宅の表面利回りランキングを掲載しておりますので、もしよろしければご覧ください。
以上、再建築不可物件のメリットを3つご紹介しました。
➌再建築不可物件のデメリット
続いて、再建築不可物件のデメリットを3つご説明します。
デメリット①被災した場合などでも、建て替えることができないです。
②担保価値が低いため、住宅ローンなどの利用は難しいです。
③売却することが、簡単ではないです。
順番に、簡単にご説明します。
①被災した場合などでも、建て替えることができないです。
1つ目のデメリットは、建て替え不可のリスクがあることです。
再建築不可物件は、万が一、地震で倒壊したり、火災で全焼したりした場合であっても、建て替えることができないです。
災害は、地域によらず起こる可能性はありますが、その後、再建できないことは、最大のデメリットの1つです。
②担保価値が低いため、住宅ローンなどの利用は難しいです。
2つ目のデメリットは、融資を受けにくいことです。
再建築不可物件は、接道義務に違反しているため、担保価値が低く、住宅ローンの利用が難しい場合があります。
そのため、通常の物件に比べると、売却に時間を要する可能性があります。
③売却することが、簡単ではないです。
3つ目のデメリットは、売却が容易ではないことです。
再建築ができなかったり、住宅ローンの利用が難しかったり、再建築不可物件を売却することは決して簡単ではありません。
このように、売却が難しいことも、再建築不可物件のデメリットの1つです。
以上、再建築不可物件のデメリットを3つご紹介しました。
➍再建築不可物件の活用方法
次に、再建築不可物件の活用方法の例を3つご紹介します。
活用方法の例①再建築を可能にして活用します。
②リフォームを施し投資や居住物件として活用します。
③解体した上で土地として活用します。
順番にご説明します。
①再建築を可能にして活用します。
1つ目は、再建築を可能にして活用する方法です。
再建築を可能にする方法は、大きく分けて2つあります。
【再建築を可能にする方法】
(1)不足分の土地を購入する方法。
(2)建築基準法第43条2項2号の許可(旧法第43条但し書き許可)申請を行う方法。
順番にご説明します。
(1)不足分の土地を購入する方法。
上図のように、建築基準法上の道路に2m以上接するように土地を購入することが、再建築を可能にする方法の1つです。
前面の道路が、「第42条1項5号道路(位置指定道路)」や「私道」の場合は、その持分を所有しているかを確認することも大切です。
再建築の可否によって、土地の資産価値は大きく変わります。
高値での売却を目指したい場合は、不動産屋さんへ、隣地の土地所有者の方に対し、接道を満たすために必要な土地の売買や交換をお願いできないか、相談してみると良いかと思います。
土地の売買が難しい場合は、隣地の土地所有者の方に対し、再建築不可物件の売却を相談することも1つの方法です。
(2)建築基準法第43条2項2号の許可(旧法第43条但し書き許可)申請を行う方法。
もう1つ考えられるのは、前面道路が「私道」などの場合、第43条2項2号の許可申請を行い、再建築を可能にする方法です。
この許可は、接道義務の例外的な特例措置です。
そのため、特定行政庁との事前協議や許可申請書の作成、関係権利者の同意など、専門性が高い手続きが必要です。
許可申請の流れや必要書類など、より詳細を知りたい方は、地方自治体の担当窓口にご相談すると良いかと思います。
以上、再建築を可能にして活用する方法について、簡単にご紹介しました。
②リフォームを施し投資や居住物件として活用します。
2つ目は、リフォームを施し投資や居住物件として活用する方法です。
木造建築の場合、下記の条件を全て満たしていれば、一般的に、リフォームにともなう建築確認申請は不要です。
確認申請の要否判定基準 階数が2階建て以下
延べ面積が500㎡以下
高さが13m以下
軒高が9m以下
※リフォームにともなう建築確認申請の可否を厳密に知りたい方は、地方自治体の担当窓口にご相談願います。
リフォームやリノベーションを施すことで、好立地に低価格で居住できる可能性があります。
また、投資物件としても、立地や購入金額などによっては高利回りを期待できます。
③解体した上で土地として活用します。
3つ目は、建物を解体した上で土地として活用する方法です。
建築物解体後の土地活用方法としては、次のことが考えられます。
【建築物解体後の土地活用方法】
(1)駐車場や駐輪場として活用する方法。
(2)自動販売機を設置して活用する方法。
(3)トレーラーハウスを設置して活用する方法。
(4)太陽光発電用地として活用する方法。
(5)貸し用地として活用する方法。
以上、再建築不可物件の活用方法を3つご紹介しました。
➎再建築不可物件を売却する方法
続いて、再建築不可物件を売却する方法をご紹介します。
結論から述べると、この記事でオススメする方法は、次の3社の売却査定サービスを活用するやり方です。
順番に、各サービスについてご説明します。
いえカツLIFE
引用元:いえカツLIFE
いえカツLIFEは、株式会社サムライ・アドウェイズが提供する、不動産の一括売却査定サイトです。
同社は、専門分野に特化したポータルサイトの運営、販売を主要事業として行っています。
そのため、いえカツLIFEでは、「相続・離婚・金銭問題・再建築不可物件」など複雑な事情の案件であっても、各分野に精通した不動産会社さんに対し、査定をお願いできます。
下記に、同サービスのメリットとデメリットを簡単にご説明します。
いえカツLIFEのメリット
①最大6社に対し、一括で売却査定を依頼可能です。
②専門分野に強い、厳選500社以上の企業が参画しています。
③仲介・業者買取・リースバックなどの3つの査定バリエーションを一括で依頼可能です。
④弁護士に対し、初回無料相談をお願いできます。
⑤訳あり物件でも査定依頼が可能です。
いえカツLIFEのデメリット
①2021年10月末時点で、サービス対応エリアが東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県のみです。
②査定依頼会社さんをご自身で選択できないです。
いえカツLIFEのまとめ
サービス対応エリアに限りはありますが、査定依頼は無料ですので、首都圏で再建築不可物件の売却にお悩みの方は、いえカツLIFEをご活用してみてはいかがでしょうか?
すまいValue
引用元:すまいValue
すまいValueは、不動産業界をリードする大手6社さんが共同運営する、不動産の一括売却査定サイトです。
具体的には、次の大手6社さんに対し、一括で査定をお願いできます。
小田急不動産株式会社
住友不動産販売株式会社
東急リバブル株式会社
野村不動産ソリューションズ株式会社
三井不動産リアルティ株式会社
三菱地所ハウスネット株式会社
「2021不動産業統計集(3月期改訂)」によると、2020年の売り物件成約報告件数は187,176件です。
そのうち、大手6社さんの仲介件数は119,195件です。
つまり、売り物件の約63%以上が、大手6社さんで成約しています。
下記に、同サービスのメリットとデメリットを簡単にご説明します。
すまいValueのメリット
①実績と経験が豊富かつ、適正で安心な査定に定評があります。
②買主さんからの信頼も厚いため、成約率の高さと早期売却が期待できます。
③ご成約時やご成約後のサポートが充実しています。
すまいValueのデメリット
①地域によっては、査定依頼できる会社さんは少ないことがあります。
②大手6社さん以外には、一括査定を依頼できません。
すまいValueのまとめ
地域によっては、お願いできる会社さんが少ない場合もあるようですが、査定は無料で依頼可能です。
再建築不可物件の売却をご検討中の方は、実績と経験が豊富な大手6社さんに一括査定をお願いしてみてはいかがでしょうか?
訳あり物件買取プロ
引用元:訳あり物件買取プロ
訳あり物件買取プロは、株式会社AlbaLinkが提供する、訳あり不動産の買取査定サイトです。
このサイトでは、「再建築不可物件・事故物件・共有持分・借地」など、複雑なご事情がある物件でも買取査定をお願いできます。
下記に、同サービスのメリットとデメリットを簡単にご説明します。
訳あり物件買取プロのメリット
①他社さんで仲介や買取をお断りされた物件でも査定をお願いできます。
②買取のため、短期売却、即日現金化も可能です。
③瑕疵担保責任を負わずにご売却できます。
④買取のため、仲介手数料が不要です。
⑤日本全国どこでもご対応しています。
訳あり物件買取プロのデメリット
①買取専門のため、仲介をご依頼することはできません。
②複数社に一括査定をお願いできるわけではありません。
訳あり物件買取プロのまとめ
買取査定は無料で依頼可能ですので、スピーディーなご売却や即金をご希望の方は、訳あり物件買取プロをご活用してみてはいかがでしょうか?
まとめ
ここまで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。
最後に、この記事の内容を簡単にまとめたいと思います。
この記事のまとめ 再建築不可物件とは、接道義務違反の建築物のことです。
接道義務とは、「建築物の敷地は、建築基準法上の道路に2m以上接しなければならない。」とする規定のことです。
建築基準法上の道路とは、同法第42条に規定されている道路のことです。
再建築不可物件のメリットは次の3つです。
【メリット】
①建築確認申請が不要な範囲でリフォームを施し、住むことができます。
②周辺の相場よりも安く購入できる可能性が高いです。
③投資物件として高利回りを実現できる可能性があります。
再建築不可物件のデメリットは次の3つです。
【デメリット】
①被災した場合などでも、建て替えることができないです。
②担保価値が低いため、住宅ローンなどの利用は難しいです。
③売却することが、簡単ではないです。
再建築不可物件の活用方法の例は次の3つです。
【活用方法の例】
①再建築を可能にして活用します。
②リフォームを施し投資や居住物件として活用します。
③解体した上で土地として活用します。
最後まで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。