宅建士とは?【業務内容・合格率・独学・資格学校情報など】

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宅建士とは?【業務内容・合格率・独学・資格学校情報など】

この記事のオススメ読者

①宅建士(宅地建物取引士)を独学や、資格学校に通うことで取得したいとお考えの方。

②将来的に、宅建業(宅地建物取引業)で独立や開業したいとお考えの方。

③宅建士の仕事内容、試験や合格率などについて、知りたいとお考えの方。

ベビゾウ
宅建士ってどんなことをする仕事なの?

リノゾウ
うーん、世の中には、宅建士にしかできない仕事があるんだよ!
今日は「宅建士」について、簡単に説明するね!

こんにちは、リノゾウです。

宅建士って聞いたことはあるけれど、「宅建士を取得すると、どんなメリットがあるの?」と疑問を抱く方も多いかと思います。

そこで本記事では、「宅建士」の仕事や、資格取得のメリットやデメリットなどについて、簡単にご紹介したいと思います!

本記事は、7部構成で話を進めています。

それでは、本編に移っていきます。

目次

➊「宅建士」とは

はじめに、宅建士について、簡単にご説明します。

宅建士とは、端的に言うと、「宅地や建物などの取引の専門家」です。

つまり、業として宅地や建物などを取引する際、宅建士でなければできない業務があります。

では、宅建士のみができる業務とは、どういった仕事なのでしょうか?

➋「宅建士」のみができる業務とは

宅建士のみができる業務は、次の3つです。

 

宅建士のみができる業務①重要事項の説明等

②重要事項説明書の記名押印

③契約書の記名押印

順番に、簡潔にご説明します。

①重要事項の説明等

宅建業法35条では、宅建業者が、宅地や建物の取引をする際、重要事項の説明等をすることが義務付けられています。

そして、この重要事項の説明等を行えるのは、宅建士のみです。

(重要事項の説明等)
第三十五条 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

②重要事項説明書の記名押印

同様に、宅建業法35条では、宅建業者が、宅地や建物の取引をする際、重要事項を記載した書面の交付が義務付けられています。

そして、この重要事項説明書に記名押印を行えるのは、宅建士のみです。

(重要事項の説明等)
第三十五条



5 第一項から第三項までの書面の交付に当たつては、宅地建物取引士は、当該書面に記名押印しなければならない。

③契約書の記名押印

宅建業法37条では、宅建業者は、宅地や建物の契約を締結した際、契約書の交付が義務付けられています。

そして、この契約書に記名押印を行えるのは、宅建士のみです。

(書面の交付)
第三十七条 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。



3 宅地建物取引業者は、前二項の規定により交付すべき書面を作成したときは、宅地建物取引士をして、当該書面に記名押印させなければならない。

以上、宅建士のみができる業務を3つご説明しました。

宅建士や宅建業の仕事内容について、より詳しく知りたい方は、下の漫画がオススメです。

もしよろしければご覧ください。

➌「宅建士」のメリット

次に、宅建士を取得するメリットを5つご説明します。

 

メリット①一生有効な資格を保有できます。

②専門知識の証明になります。

③宅建士のみができる業務に携われます。

④就職や転職のアピールポイントになります。

⑤宅建業者として開業できます。

順番にご説明します。

①一生有効な資格を保有できます。

取消し事由などに該当しない限り、宅建士の資格は、基本的には一生有効です。

つまり、宅建士の試験に合格することで、一生有効なライセンスを獲得することが可能です。

②専門知識の証明になります。

宅建士の試験に合格するためには、幅広い専門的な知識を理解する必要があります。

例えば、
 民法
 借地借家法
 都市計画法
 建築基準法
 宅地建物取引業法
などです。

そのため、宅建士を取得することで、一定以上の専門知識を有していることを証明することができます。

③宅建士のみができる業務に携われます。

宅建士を取得することで、次の業務に携わることができます。

 重要事項の説明等
 重要事項説明書の記名押印
 契約書の記名押印

宅建士のみができる業務に携われることは、資格取得のメリットの1つです。

④就職や転職のアピールポイントになります。

宅建士を取得することで、就職や転職の際、有利になる可能性があります。

その理由は、主に2つあります。

1つ目は、前述の通り、宅建士のみができる業務があるからです。

2つ目は、宅建業を営む事務所には、規模や業務内容などに応じて、国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅建士を置くことが義務付けられているからです。

例えば、新しく支店を開設したいけれども、成年者である専任の宅建士の数が足りない場合、支店を開設することができません。

つまり、宅建士の資格保有者を雇用することは、会社サイドにとってもメリットがある場合があります。

⑤宅建業者として開業できます。

宅建士を取得することで、宅建業者として、独立や開業をすることが可能です。

前述の通り、宅建業を営む事務所には、規模や業務内容などに応じて、国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅建士を置くことが義務付けられています。

そのため、宅建業を開業するためには、宅建士の資格は必要不可欠です。

宅建士を取得することで、宅建業者として、独立や開業の可能性が広がることは、資格取得のメリットの1つです。

以上、宅建士を取得するメリットについて、簡単にご説明しました。

➍「宅建士」のデメリット

次に、宅建士を取得するデメリットを5つご説明します。

 

デメリット①宅建士の試験は、簡単ではないです。

②宅建士には、取得費や維持費がかかります。

③宅建士は、年々増加しています。

④宅建業者数は、コンビニ店舗数の2倍以上です。

⑤宅建業の開業には、高額な費用がかかります。

順番にご説明します。

①宅建士の試験は、簡単ではないです。

宅建士の試験は、誰でも受験することができます。

ただし、試験の合格率は、15%程度です。

合格率は、年度によっても多少前後しますが、100人中15人程しか合格できないため、簡単な試験ではありません。

②宅建士には、取得費や維持費がかかります。

宅建士を取得し、資格を維持するためには、次の費用がかかります。(2021年10月末時点)

 受験手数料   :7,000円
 登録実務講習  :20,000円程度
 取引士登録申請 :37,000円
 取引士証交付申請:4,500円
 合計      :68,500円

 取引士証更新等 :16,500円(5年に1回)

上記のように、宅建士の試験受験から宅建士証の交付を受けるまでに、約7万円の費用がかかります。

そして、宅建士証の有効期間は5年です。

そのため、5年に1回、宅建士証の更新に16,500円の費用がかかります。

【補足説明】
登録実務講習は、実務経験が2年以上ある方は不要です。
登録実務講習は、実施機関によっても費用は異なります。

③宅建士は、年々増加しています。

出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構

上のグラフの通り、宅建士の資格登録者数は、年々増加しています。

2020年時点で、1,099,632人の方が宅建士として登録しています。

また、2021年10月末調査時点での、他の資格との登録者数の比較を下表に示します。

資格名称人数
看護師1,683,295
保育士1,665,549
宅地建物取引士1,099,632
一級建築士373,490
医師327,210
薬剤師311,289
歯科医師104,908
税理士79,404
行政書士47,901
社会保険労務士42,887
弁護士42,164
公認会計士32,488
中小企業診断士27,000
司法書士22,742
土地家屋調査士16,471
不動産鑑定士9,532

上表から、宅建士の取得者数は、他の資格と比較しても、多いことが読み取れます。

そのため、資格取得後も、ライバルが多い業界であると予想できます。

④宅建業者数は、コンビニ店舗数の2倍以上です。

このデメリットは、主に、宅建士を取得し、宅建業の開業を目指す方にとってのデメリットです。

一般財団法人 不動産適正取引推進機構が公表している資料によると、2020年度末の宅建業者数は、127,215業者です。

一方で、一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会が公表している資料によると、2020年度末のコンビニ店舗数は、55,924店です。

つまり、日本には、コンビニ店舗数の約2.27倍もの宅建業者が存在しています。

ここから、宅建士を取得し、独立や開業を目指す上で、非常に競争率が高い業界であると予見できます。

⑤宅建業の開業には、高額な費用がかかります。

このデメリットも、主に、宅建士を取得し、独立や開業をしたい方向けのデメリットです。

宅建業を開業するためには、宅建士の資格取得だけではなく、非常に高額な開業資金がかかります。

少なくとも、100万円以上は費用が必要かと思います。

下記に、都道府県知事免許を取得する場合の開業資金の一例を示します。

 都道府県知事免許申請:33,000円
 宅建協会入会金等  :100万円~180万円
※宅建協会の入会金等の詳細につきましては、各協会にお問い合わせ願います。

初期費用を抑えるために、最初は自宅兼事務所で、個人事業主として開業する場合でも、少なくとも100万円以上の開業資金の準備が必要かと思います。

以上、宅建士を取得するデメリットについて、ご説明しました。

➎「宅建士」の試験とは

続いて、宅建士の資格取得を目指す方に向けて、試験の概要について、ご説明します。

宅建士試験の概要

受験資格

誰でも受験可能です。

年齢、性別、学歴などの制約はありません。

受験申込の受付

毎年7月1日から開始しています。

受験手数料

7,000円です。

試験の方法

全50問です。
4択のマークシート方式の筆記試験です。

※登録講習修了者は全45問です。

試験日

原則、毎年1回、10月の第3日曜日です。

試験の時間

原則、午後1時から午後3時(2時間)です。

試験地

原則、お住まいの都道府県での受験です。

合格発表

原則、12月の第1水曜日もしくは、11月の最終水曜日です。

合格ライン

全50問中「31問~38問程」の正解数が合格ラインです。

合格ラインは、年度によっても異なっています。

合格率

15%~17%程度です。

合格率は、年度によっても異なっています。

宅建士試験のスケジュール

 毎年07月上旬:受験申込みの開始
 毎年09月下旬:受験票の受け取り
 毎年10月中旬:試験日
 毎年12月上旬:合格発表

宅建士試験の出題範囲

次に、宅建士試験の出題範囲について、簡単にご説明します。

前述の通り、宅建士試験は、全50問の試験です。

登録実務講習を修了している方は、5問免除となるため、全45問です。

下記に、近年の宅建士試験の大まかな出題範囲を示します。

権利関係:14問

権利関係では、民法、借地借家法、不動産登記法などから、全14問出題されます。

問1から問14までが、権利関係の出題です。

法令上の制限:8問

法令上の制限では、都市計画法、建築基準法、農地法、宅地造成等規制法などから、全8問出題されます。

問15から問22までが、法令上の制限に関わる出題です。

税その他:3問

税その他では、国税や地方税、地価公示法や不動産鑑定評価基準等などから、全3問出題されます。

問23から問25までが、税その他に関する出題です。

宅建業法:20問

宅建業法では、宅地建物取引業法などから、全20問出題されます。

問26から問45までが、宅建業法の出題です。

免除科目:5問

免除科目では、住宅金融支援機構法、不当景品類及び不当表示防止法などから、全5問出題されます。

問46から問50までが、免除科目の出題です。

登録実務講習を修了している方は、この科目は免除となります。

以上、宅建士試験について、簡単にご説明しました。

試験のスケジュールや過去問などについて、より詳細に知りたい方は、下のリンクよりご確認願います。

➐「宅建士」の試験に合格するためには

次に、宅建士試験に合格するための、一般的な勉強方法について、2つご説明します。

 

宅建士試験の勉強方法①独学で勉強する。

②資格学校で勉強する。

順番に、ご説明します。

①宅建士試験を独学で勉強する場合。

結論から述べると、筆記試験が得意な方や関連資格を保有している方、実務経験が豊富な方などであれば、宅建士試験を独学で合格することは可能かと思います。

独学合格を目指す方に向けて、オススメの書籍や道具、サイトなどをご紹介しますので、もしよろしければお役立てください。

みんなが欲しかった!宅建士の教科書

この書籍は、独学で宅建士試験を突破するためのバイブル本です。

宅建士試験の出題範囲が、コンパクトにまとめられた良書です。

フルカラーテキストかつ、イラストも豊富のため、予備知識がない方でも取り組みやすい教材です。

教科書本に悩まれた方は、本書籍を手に取ってみてはいかがでしょうか?

みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集

独学合格者必携の過去問題集です。

12年分の過去問が難易度順に掲載されています。

知識のアウトプットに活用してみてはいかがでしょうか?

本試験をあてる TAC直前予想模試 宅建士

この書籍は、本試験対策用の直前予想模試です。

「直前」とありますが、非常に難解な問題も含まれています。

そのため、試験の2~3週間前に1回、直前期にもう1回程度、取り組むと良いかと思います。

本試験の冊子はA4サイズですので、本試験対策をしたい方、12年分の過去問をほぼノーミスで解ける方などは、腕試しに挑戦してみてはいかがでしょうか?

ぺんてる マークシート シャープペンセット

マーク時間短縮のための太芯シャープペンシルです。

宅建士試験は、時間との勝負です。

そして、1点を争う試験でもあります。

見直し時間を少しでも多くとるためにも、マークシート用のシャープペンシルを準備してみてはいかがでしょうか?

お役立ちサイト

 e-Gov法令検索

各種法令を検索できるサイトです。

正式な法文などを調べたい場合、役立ちます。

 宅建試験ドットコム

このサイトは、株式会社 スタディワークスが運営しています。

過去問題を33年分PDFでダウンロードできたり、法令制度の改正情報などを確認できたりするため、独学者にとっては重宝するサイトです。

お役立ちYouTubeチャンネル

 宅建みやざき塾

このチャンネルは、宮嵜 晋矢先生が運営されているサイトです。

2021年10月末現在、58,000人以上の方が、チャンネル登録されています。

 宅建吉野塾

このチャンネルは、吉野 哲慎先生が運営されているサイトです。

2021年10月末現在、24,000人以上の方が、チャンネル登録されています。

以上、独学で試験合格を目指す方に向けて、お役立ち情報をご紹介しました。

②宅建士試験を資格学校で勉強する場合。

続いて、宅建士試験の資格学校についてご説明します。

資格学校には、主に次の2種類があります。

 通学講座がある資格学校
 通信講座専門の資格学校

下記に、代表的な資格学校をご紹介します。

通学講座がある資格学校

 TAC
 LEC 東京リーガルマインド
 資格の大原

ご希望の先生などがいない場合は、ご自宅からの通いやすさ、費用や合格実績などで選ぶと良いかと思います。

通信講座専門の資格学校

 アガルート
 フォーサイト
 スタディング

通学講座に比べると、通信講座は金銭面でのメリットが大きいです。

以上、宅建士試験に合格するための方法について、簡単にご説明しました。

➐「宅建士」のまとめ

ここまで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。

最後に、この記事の内容をまとめたいと思います。

 

まとめ 宅建士とは、「宅地や建物などの取引の専門家」です。

宅建士のみができる業務は、次の3つです。
①重要事項の説明等
②重要事項説明書の記名押印
③契約書の記名押印

宅建士のメリットは、次の5つです。
①一生有効な資格を保有できます。
②専門知識の証明になります。
③宅建士のみができる業務に携われます。
④就職や転職のアピールポイントになります。
⑤宅建業者として開業できます。

宅建士のデメリットは、次の5つです。
①宅建士の試験は、簡単ではないです。
②宅建士には、取得費や維持費がかかります。
③宅建士は、年々増加しています。
④宅建業者数は、コンビニ店舗数の2倍以上です。
⑤宅建業の開業には、高額な費用がかかります。

宅建士の試験に合格するための勉強方法は、次の2つです。
①独学で勉強する。
②資格学校で勉強する。

通学講座がある資格学校の一例は、次の3つです。
TAC
LEC 東京リーガルマインド
資格の大原

通信講座専門の資格学校の一例は、次の3つです。
アガルート
フォーサイト
スタディング

おまけ情報

おまけ情報として、宅建業について、簡単にご説明します。

宅建業(宅地建物取引業)とは、かみ砕いて言うと、「不特定多数の人と反復継続して、不動産取引を行うこと」です。

「不特定多数」と「反復継続」がポイントです。

例えば、ご自宅を特定の人に対し、1度だけ売却する場合は、宅建業の免許を受ける必要はありません。

一方で、相続した土地を分割して、不特定多数の人に対し、反復継続して売却する場合は、宅建業の免許を受けることが必要です。

つまり、宅地や建物を不特定多数の人に対し、反復継続して、売買・交換・媒介などをする場合は、宅建業の免許が必要です。

以上、簡単に宅建業について、ご説明しました。

最後まで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。

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